森田療法について

森田療法は誤解されている

「森田療法」という名前を聞くと、いろいろな印象を持たれるかたがいると思います。「古臭い」、「なんだか宗教のよう」、「行動するだけの治療法」と思われる方がいると思いますし、日本人の常で、「海外の治療法のほうが進んでいるに違いない」と感じるかたも多いでしょう。

「印象」という面で見ると、森田療法は非常に損をしているようです。それに加えて、熱烈な信奉者がたくさんいるという点でも、知らない人にとっては宗教じみているという印象があるのかもしれません。

しかし、なぜファンが多いのか、そしてその人たちが治療者ではなく普通の人たちなのかということを考えると、はっきりと言えることがあります。森田療法は効果があるのです。効果がない治療法にファンは生まれません。

神経症 (今で言う不安障害圏の症状) のための治療法として20世紀の初期に創始された森田療法。それはちょうどフロイトが精神分析を創始したのと同時代にあたります。そして神経症のための治療法としては精神分析治療とはアプローチが全く違います。日本でこれだけ優れた精神療法が創始されたことに、日本人は長い間、無関心でした。
 

森田療法は、つらい神経症の症状を克服させるだけでなく、その人の心を外界へと開かせ、劣等感や自己否定に支配された心をもっと伸びやかな自己肯定感へと変化させます。それだけの技法がこの療法にはあるのです。

そしてこの療法の考え方は、今や、世界で流布している新しい治療法の要素をすでにそのなかに含んでいるのです。

森田療法は一見、現実的で身近なことばかり語っているように見えながら、その語ることを実地に体験してみると、今まで感じたことのなかった自由でのびやかな世界に到達できるのです。もちろんこれは理論だけ学んでも得られない境地です。ですから「知的」に言葉で学ぼうとすると、この部分は見えないことになります。
 

私は、一見やさしそうで奥が深い森田療法を、なるべく平易な言葉でなおかつ深く理解できるように本を書いたり、ブログを書いたりしてきました。しかし、まだまだ書ききれないこともたくさんあります。

現実は(心の事実も含め)、言葉よりもっと複雑で微妙だし、ある意味限界のない面白さに満ちています。

カウンセリングでは皆様のそれぞれの現実に伴走しつつ、森田の世界を伝えていきたいと思っています。

また、こちらのカウンセリングでは神経症のかた以外にも、この治療法の要素を応用しております。森田療法は「過去を問わない」と言いますが、過去から考える必要のある人もいます。そのかたに合う森田療法の要素を考え、応用します。

そしてこの治療の目指す方向、つまり、自分の可能性を信じ、生の流れに乗ること。人生を自分なりに輝かせる方向をご一緒に考えていきたいと思います。
 

私たちには足りないものも、余分なものもない

森田療法の目指すところは「あるがまま」と言われます。つまり「そのままでいい」「等身大の自分で十分」ということです。

現実生活で困難に出会ったとき、私たちは悩みます。しかしそういう悩みだけではなく、自分のなかの過大な理想、自身への期待、他人と比較して「持っていない」と感じることなどで、私たちは悩みを作り出します。

本当はそのままで十分なのに、「もっと、もっと」という思いで自分を追い詰めていくのです。「皆と同じようになりたい」と切に願いながら、実は自分がたくさんのものを持っていることに気づかない。

森田療法には、まるで青い鳥を探しに遠くまで出かけたのに、帰った家のなかでその青い鳥を発見するような、逆転の発想が含まれています。

本当はこのままでよかったのだ。私たちには足りないものも、余分なものもなかったのだ。それが心と身体で納得できる体験ができるのです。

症状や悩みの真っ最中にいるかたには、夢のような話かもしれません。しかし、真摯に学んで実践していれば、森田療法はその道筋を示し、そこに導いてくれるでしょう。

どうしたら自身の欲求に沿って、毎日を生き生きと過ごすことができるか。命の流れにのりきることができるのか、人や環境と協調して、共に生きていくことができるのか、そんな道筋をカウンセリングのなかで皆さまと共に歩みたいと思います。
 

下記の症状があるかた ご相談ください

社交不安障害
対人恐怖、赤面恐怖、人前であがる、声が震える、手が震える、吃音、雑談恐怖、
集団がこわい、醜貌恐怖、視線恐怖、体臭恐怖、関係念慮、その他人間関係にまつわる恐怖

強迫性障害
不完全恐怖、不潔恐怖、病気恐怖、縁起恐怖、過失恐怖、雑音恐怖、雑念恐怖、
その他何かにとらわれて心が離れない状態

不安障害
不完全恐怖、不潔恐怖、病気恐怖、縁起恐怖、過失恐怖、雑音恐怖、雑念恐怖、
その他何かにとらわれて心が離れない状態

強迫性障害
パニック障害、閉所恐怖、電車やエレベーターに乗れない、広場恐怖

身体症状
特定の病気がなく身体症状が起こるもの
胃腸神経症、めまい・頭重感、不眠、ふらつき、疲労亢進

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